- 耳鳴りがうるさくて眠れない
- キーンと高い音が常に鳴っている
- 検査をしても異常はなくどうしたらよいのか分からない
このように耳鳴りに長年悩まれている方は少なくありません。
病院で「異常なし!」と言われた耳鳴りの多くは、実は首コリや自律神経の乱れが原因となっている可能性があります。
今回のブログでは、異常なしと言われた『耳鳴り』の原因と改善のポイントを解説していきます。
耳鳴りはなぜ「異常なし」と言われるのか?

病院で「異常なし」と言われる耳鳴りの多くは、血行不良や神経の機能異常・自律神経の乱れが関係しています。
「耳鳴りは年齢からきてる。」
「うまく付き合っていくしかない。」
「自律神経の問題だから様子を見て。」
病院では、こんな言葉をかけられることが多いのではないでしょうか。
病院の検査では主に、
- 聴力検査…高音や低音など音がどの程度聞こえているかの検査
- 耳の中の検査…カメラを使って耳の中状態を観察する
- 鼓膜や中耳・耳管の検査…耳に圧を加え状態を調べる検査
このような検査で、問題が見つからなければ「異常なし」と診断されることがほとんどです。
しかし、「異常なし」と言われても、残念ながら耳鳴りの症状がなくなるわけでも、良くなるわけでもありません。
なぜなら、耳そのものに器質的な問題がなくても、血行不良や神経の機能異常・自律神経の乱れが原因となり耳鳴りが起こっているからです。
そして、そういった異常は数値や検査では分からないものなのです。
耳鳴りは耳が原因なの?

耳鳴りが起きれば、「耳に問題がある」と思われる方も多いですが、よく考えてみてください。
人間の身体はすべて繋がっています。
耳、鼻、目、顎、首、肩、背中、腰、お尻、脚、
すべてが一つの繋がりで、それぞれが単独に動いているわけではありません。
一本の線のような感じなので、どこかに狂いが生じれば、どこか別のところに影響がでるのも当然と言えるでしょう。
あなたが感じている耳の不調も、元をたどれば身体のどこかからの影響を受けている結果で、耳のせいでもなく故障しているわけでもありません。
人間の身体は正直です。
「耳鳴り」という症状を出すことで、身体がピンチである!というサインを送ってくれているのです。
病院で「異常なし」の耳鳴りの原因は?

ここでは、耳鳴りを引き起こす原因を1つずつ解説していきます。
首コリと耳鳴り

デスクワークやスマホの使い過ぎなどにより、首コリを感じている人も多いのではないでしょうか?
首と耳は非常に近い位置にあり、首に不調があると耳に症状が出やすいという特徴があります。
首の筋肉(胸鎖乳突筋、僧帽筋、後頭下筋群など)のコリは、
- 頸部交感神経節を圧迫
- 耳への血流低下
- 交感神経の過剰興奮
これらを引き起こし、耳鳴りの原因となります。
1つずつ解説します。
頸部交感神経節を圧迫
首には交感神経節という交感神経の細胞の塊があり、脳の血流を調節するセンサー的な役割をしています。
首(特に胸鎖乳突筋)に過度な緊張が起こると、この交感神経節が圧迫されます。
すると、センサーの働きが鈍くなり内耳(耳の奥)への血流低下を引き起こし耳鳴りの原因となるのです。
耳への血流低下
首の筋肉が緊張することにより、耳周辺への血管が圧迫され、血液循環が悪くなります。
すると、内耳(耳の奥)への血流が滞り、音が正常に伝達されず耳鳴りとして症状が現れます。
交感神経の過剰興奮
首の後ろの筋肉(後頭下筋群)の深部には、自律神経の司令塔のような存在である「脳幹」があります。
「脳幹」は、心拍・呼吸・血圧・内臓の動きなど生命維持に不可欠な機能をコントロールする役割をしています。
しかし、首の後ろの筋肉(後頭下筋群)が過度に緊張すると、脳幹まわりの血流が低下し、神経の働きが鈍くなります。
すると、呼吸が浅くなり交感神経優位となり、耳鳴りを起こしたり、過敏になったりします。
顎のコリと耳鳴り

顎を動かす筋肉(咬筋や側頭筋)は、耳を包むように周りを取り囲んでいます。
なので、この筋肉が緊張すると、耳への血流やリンパの流れが悪くなりやすいです。
「寝ているときに歯ぎしりをしていると言われる。」
「朝起きたときに、アゴや首が重たい。」
「よく食いしばってしまう。」
こういった方は、顎まわりが緊張しており、それが「耳鳴り」の原因となっている場合が多いでしょう。
顎まわりの緊張は、
- 耳への血流低下
- 自律神経が狂いやすい
- 顎関節のズレを引き起こす
これらが原因となり、耳鳴りが起きやすくなります。
1つずつ解説します。
耳への血流低下
日中や睡眠中に無意識に歯を強く噛みしめることで、顎まわり(咬筋・側頭筋)が緊張します。
顎まわり(咬筋・側頭筋)のすぐ近くには、耳に血液を送る細い動脈や老廃物を回収する静脈が通っています。
しかし、顎まわりが緊張することで、血流が悪くなり酸素や栄養が耳へ届かなくなるのです。
すると、耳鳴りが起こりやすくなります。
自律神経が狂いやすい
歯の食いしばりは、無意識に起こる「全身の緊張反応」と言えます。
この状態が続けば交感神経優位(身体の緊張)となり、顎のみならず、首や肩・背中が更に緊張するという負のスパイラルになるのです。
顎関節のズレを引き起こす
顎の関節のすぐ後ろには、内耳神経や耳管など大切な器官があり、顎の関節から2~3センチの場所に位置してると言われています。
これらに異常があると、耳鳴りや難聴・めまいなどの不調がでやすいのは有名ですね。
慢性的な歯の食いしばりは、顎の関節をわずかにずらすので、神経や血流に影響を及ぼし耳鳴りの原因となります。
自律神経の乱れと耳鳴り

自律神経とは、私たちの意思とは関係なく体の機能を自動的に調整する神経のことです。
心拍数や血圧を調整したり、呼吸をしたり、体温を一定に保ったり、消化吸収を行ったりと、生命維持に不可欠な働きを私たちが生きている間休みなく行っています。
自律神経は、大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」の2つです。
交感神経(頑張るモード)・・・活動や緊張時に優位に働き、心拍数や血圧を上げて体を戦闘モードに整える。
副交感神経(リラックスモード)・・・休息やリラックス時に優位に働き、心拍数を落ち着かせ、消化や睡眠を促進する。
この2つの神経がシーソーのように切り替わることで、心身のバランスは保たれています。
しかし、自律神経のバランスが崩れると、
- 筋肉の過緊張
- 神経の機能異常
- 血管の収縮による血流低下
これらを引き起こし、耳鳴りが起こりやすくなります。
1つずつ解説します。
筋肉の過緊張
ストレスや過度な疲労などにより自律神経が乱れると、交感神経が優位になりやすく、筋肉が更に緊張します。
前述した通り、首の筋肉が緊張すれば、耳への血流低下に繋がり耳鳴りが悪化しやすいです。
神経の機能異常
自律神経の中枢である「脳幹(後頭部の深部にある)」からは、内耳神経という音の情報を伝える神経が出ています。
首の後ろの筋肉(後頭下筋群)のコリができることで、「脳幹」を緊張させ内耳神経の働きを低下させます。
すると、音を正確に処理できないので耳鳴りの原因となりやすいです。
血管の収縮による血流低下
ストレスや過度な疲労は交感神経の働きを過剰にします。
交感神経優位な状態が続けば、血管が収縮したままになり血流の低下を招くのです。
すると、内耳(耳の奥)へ十分な血液が行き渡らず、耳鳴りが起きやすくなります。
耳鳴りはなぜ病院の治療で良くならないのか?

耳鳴りに悩み病院へ行くと、様々な検査をして「異常なし」と言われることが多々あります。
原因は、「ストレスや精神的な問題」とされることも多いです。
そして、大体は以下のような薬が処方されます。
- 耳の血流を改善させる薬
- 緊張を抑える抗不安薬や精神安定薬
- 耳鳴りで寝不足になっていれば睡眠薬
以上のような薬を一定期間飲みますが、治らない方が多くいます。
病院では、薬物療法が治療の中心となっていますが、抗不安薬や精神安定薬などは、不安や緊張状態を薬で抑えることができるので、耳鳴りを緩和するなど日常生活を少しでも楽にするためには必要なものかもしれません。
しかし、薬を飲まなければ症状は再発します。
薬物療法は症状を緩和するためには役立つこともありますが、根本的な原因の解決にはならないのです。
また、薬の長期服用は心身に様々なリスクをもたらすこともあるので注意する必要があります。
病院で良くならない耳鳴りに対するセルフケア

病院で異常なし!と言われる耳鳴りの原因の多くは、“首コリ”による血流の滞りと自律神経の乱れです。
ここでは、自宅で簡単にできる「セルフケア」を紹介します。
ツボ押し

ツボ押しは、道具を使わず手軽に行えるセルフケアのひとつで、ちょっとした隙間時間にも取り入れやすいのが特徴です。
ここでは、代表的なツボの位置と押し方のポイントを見ていきましょう。
百会(ひゃくえ)・風池(ふうち)

天柱(てんちゅう)

外関(がいかん)

太衝(たいしょう)

ツボ押しのポイント
- 「痛気持ちいい」と感じる強さで5〜10秒、息を吐きながらゆっくり押す
- 左右・両側を各3〜5回を目安に行う
- 毎日少しずつ続ける(合計3〜5分程度)
顎まわりのマッサージ

「耳鳴り」がある方の多くは、「噛みしめ」があり、アゴまわりがガチガチに固まっているのが特徴です。
噛みしめは、首(胸鎖乳突筋)や顎まわり(咬筋・側頭筋)にも影響を及ぼし、耳への血流を低下させたり、顎関節のズレを引き起こしたりします。
まずは、ガチガチに固まっている顎まわりの筋肉を緩めることから始めましょう。
- 顎に人差し指と中指を当てる
- コリコリしているところを見つける
- コリコリを見つけたら優しく潰すように、指を動かす
- 一日の中でこまめに行う(1回30秒程度)
入浴で身体をしっかり温める

入浴は、身体を芯から温めることができます。
そして、「耳鳴り」の原因となりやすい血流の滞り・身体の緊張・心身の疲労をとる効果があります。
忙しいとシャワーで済ませる人も多いですが、シャワーのみでは身体を芯から温めることが出来ず、身体のコリはほぐれません。
しっかりとお風呂に浸かることで、水の浮力で体の体重の負担が軽減され、筋肉のコリがほぐれやすくなります。
また、リンパ液の流れがよくなって、老廃物や疲労物質の排出も促されます。
入浴のポイントとして、お湯の温度は、副交感神経が優位になりやすい38~40℃のややぬるめのお湯が最適です。血管が拡張し、筋肉のこりもほぐれてきます。
天然塩を摂る

「塩分の摂りすぎは体に悪い」「高血圧になる」「浮腫みやすくなる」
皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
日本では、「減塩」がブームとなっており、味噌や醤油も減塩を謳った商品がたくさんあります。
確かに、世の中に数多く出回っている精製された食塩の摂りすぎは、体に悪影響を及ぼすでしょう。
しかし、天然塩は積極的に摂ることをオススメします。
天然塩は、ミネラルやマグネシウムが豊富に含まれており、天然のサプリメントと言っても良いくらいです。
塩分の不足は、身体のミネラルバランスを崩す要因となり、自律神経や心の状態を不安定にさせます。
すると、耳鳴りをはじめ、冷えや貧血・頭痛・めまい・内臓の不調などの身体の不調はもちろんのこと、些細な出来事でも過剰に捉えるなど、心が不安定となりストレスを大きく感じてしまうのです。
悪者と思われがちな“塩”ですが、塩は私たちの身体に必要不可欠なものです。
良い塩を摂取して、体の中から整えていきましょう。
病院で良くならない耳鳴りには鍼灸でのアプローチを!

ここでは、病院でも良くならない「耳鳴り」に対し、鍼灸がどのような役割を果たすのかを見ていきましょう。
鍼灸で自律神経の乱れを整える

耳鳴りは、筋肉の緊張による自律神経の過剰な興奮が深く関わっています。
症状に悩まれる多くの方が、首や肩・背中が常に緊張している状態です。この箇所の緊張は自律神経に直接的な影響を与えます。
鍼灸では、
- 筋肉の緊張緩和
- 血液循環の改善
- 神経の圧迫を解除
- 呼吸と姿勢の改善
を図ります。
副交感神経を働かせ、交感神経の過剰な働きを抑えることで、「耳鳴り」の緩和に繋がります。
鍼灸による体質改善

まずは、「耳鳴り」を改善をすることが最も優先とされますが、単に目の前の症状を抑えるだけでなく、体質を改善し「耳鳴り」を繰り返さないようにすることが大切です。
「耳鳴り」の背景にあるものを見つけ、そこへのアプローチをしていきます。
例えば、
- 不眠が続いている
- お腹の調子が悪い
- 慢性的な頭痛がある
- 体がいつも冷えている など
根本的な原因を見つけ、体質を改善することで再発しない身体を目指します。
まとめ

耳鳴りで病院に行っても「異常なし」と診断され、不安を感じている方は多いはずです。
「異常なし!」と言われる耳鳴りの原因の多くは、
- 首や顎まわりの筋肉の過緊張
- 内耳(耳の奥)への血流低下
- 自律神経の乱れ
ストレスや疲労が重なれば、筋肉は過緊張を引き起こし自律神経は乱れ、耳鳴りを悪化させる要因となります。
私たちの身体は“ひとつながり”、決して耳だけに問題があるわけではないのです。
セルフケアや生活習慣の改善も大切ですが、それでも改善が難しい場合には、鍼灸でのアプローチが効果的です。
耳鳴りでお悩みの方は、ぜひご相談ください。

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