当院は、「パニック障害」と「自律神経の不調」専門の鍼灸院です。
病院で「異常なし」と言われながらも、不調が改善しない人にご来院頂いております。
パニック障害や自律神経の不調でお困りの方は当院へご相談ください。
なぜパニック障害の人は「首」と「胸」が凝るのか?

パニック障害を抱える方の身体を触診すると、ほぼ100%と言っていい確率で首の後ろから横にかけての筋肉(後頭下筋群・胸鎖乳突筋など)がガチガチに緊張し、胸の筋肉(大胸筋や肋間筋)がすぼむように縮こまっています。
これには、解剖学的・生理学的な明確な理由があります。
慢性的な「闘争・逃走反応(交感神経の暴走)」

パニック発作は、脳の扁桃体という部分が過剰に興奮し、自律神経の「交感神経」が急激にマックスになることで起こります。
交感神経が優位になると、人間は野生動物に襲われたときのような「戦うか、逃げるか」の臨戦態勢に入ります。このとき、本能的に急所である「首」と「心臓(胸)」を守るために筋肉を縮めて硬くする反応が起こるのです。
パニック障害の方は、発作が起きていないときでも、このように常に身体が緊張し縮こまっているような状態になっています。
「息が吸えない」恐怖による呼吸筋の疲労

パニック発作の代表的な症状に「過換気(過呼吸)」や「窒息感」があります。
「息が吸えなくなったらどうしよう」という予期不安があると、人は無意識に肩や胸を大きく動かす「努力呼吸(浅い胸式呼吸)」を繰り返すようになります。
これにより、呼吸を補助する筋肉である胸鎖乳突筋(首の横)や斜角筋(首の奥)、そして肋間筋(あばらの間)が慢性的に使われいるような状態になり、これが強烈なコリへと変化します。
「脳への血流」を邪魔する首のコリ

首には、脳へ酸素と栄養を運ぶ重要な血管である「椎骨動脈(ついこつどうみゃく)」が通っています。
首がガチガチに凝ると、この血管が圧迫されて脳への血流が低下します。
脳が酸欠状態になると、脳は「生命の危機だ!」と判断してパニック信号(めまい、ふらつき、動悸)を出しやすくなるという、悪循環が生まれます。
身体の緊張が心を支配する「体性・自律神経反射」

「不安だから身体が緊張する」と思われがちですが、実はその逆の「身体が緊張しているから不安になる」という現象が医学的に存在します。これを「体性・自律神経反射」と呼びます。
人間は、強いストレスや恐怖を感じると、無意識に身を守るために身を縮めます。アゴを引き、肩をすくめ、胸を閉じるポーズです。
この姿勢を続けると、首の後ろと胸の前側の筋肉が強制的に緊張します。
パソコンやスマートフォンの長時間使用、猫背などの不良姿勢により、日常的にこの「身を縮めたポーズ」をとっていると、脳は「今、身体が緊張しているということは、周囲に危険があるに違いない(不安を感じるべき状態だ)」と勘違いしてしまうのです。
つまり、日頃のデスクワークや姿勢の悪さでできた「首のコリ」や「胸のこわばり」が、脳に対して絶えず「不安アラーム」を送り続け、それが限界を迎えたときにパニック発作として現れる仕組みです。
鍼灸治療がパニック障害に効果的な理由

では、なぜこうした「首のコリ」や「胸のこわばり」に対して、鍼灸治療が効果的なのでしょうか。
マッサージや整体との違いも含めて、鍼灸ならではの強みを3つお伝えします。
手では届かない「深層筋(インナーマッスル)」に直接届く

首のコリや胸のこわばりの原因となっているのは、皮膚の表面にある筋肉ではなく、骨のすぐキワにある「深層筋(後頭下筋群、斜角筋、内肋間筋など)」です。
これらの筋肉は、整体やマッサージで上から押しても、表面の筋肉がブロックしてしまい、なかなか刺激が届きません。
鍼は、指では届かない奥にある深層筋へピンポイントで直接アプローチすることができます 。
硬く縮こまった筋肉の芯(コリ)に鍼が当たると、筋肉が「ズーン」と響くような感覚とともに緩み、その場で血流が改善します。
副交感神経を強制的に優位にする

鍼灸刺激は、皮膚や筋肉にある神経を介して脳へ伝わり、自律神経のバランスを調整します。
鍼を打つと、脳内から「エンドルフィン」や「セロトニン(幸せホルモン)」といった安心感をもたらす脳内物質が分泌されることが分かっています。
施術中、多くの患者さんが「お腹がグルグルと鳴り出す(胃腸が動き出すサイン)」、あるいは「いつの間にか深い眠りに落ちてしまう」という経験をされます。
これは、過剰に高ぶっていた交感神経が抑えられ、リラックスモードの「副交感神経」が強制的にスイッチONになった証拠です。
東洋医学的な「気・血・水」の巡りを整える

東洋医学では、パニック障害を「心(しん)」の機能失調や、気の巡りが滞る「気滞(きたい)」、気が頭に突き上げる「気逆(きぎゃく)」として捉えます。
首や胸が詰まっていると、エネルギー(気)や血液が胸から上に渋滞し、頭に熱がこもってイライラや不安、動悸が起きやすくなります。
鍼灸によって首・胸の「詰まり」を解消することで、滞っていた気が全身へスムーズに巡るようになり、精神的な落ち着きを取り戻すことができます。
自宅でできる!自律神経を整えるセルフケア

治療と並行して、日々の生活の中で「首」と「胸」を緩めるケアを行うことで、パニック発作の予期不安を減らし、回復をスムーズにすることができます。
今日からできる簡単なケアをご紹介します。
胸を開く「呼吸ストレッチ」

1,背筋を伸ばして立ち、両手を後ろで組みます。
2,息を鼻から吸いながら、組んだ手を斜め下に引き下げ、胸を大きく開きます(目線は少し斜め上へ)。
3,胸の筋肉(大胸筋)が気持ちよく伸びているのを感じながら、口からゆっくり息を吐き出します。
4,これを5回繰り返します。
首の後ろを温める「ホットタオル・温灸」

首の後ろ(頭の付け根)には、自律神経を整える「大椎(だいつい)」や「風池(ふうち)」といった重要なツボがあります。
お風呂に入る際に、シャワーで少し長めに温水(40〜42度程度)を首の後ろに当てるのがオススメです。
また、電子レンジで温めた「ホットタオル」を首の後ろに5〜10分当てるだけで、首の深層筋が緩み、脳血流がアップして気持ちがスーッと落ち着きます。
市販の「あずきの温熱パッド」や「お灸」を利用するのも効果的です。
「胸の真ん中」のツボ「膻中 (だんちゅう)」をマッサージ

左右の乳頭を結んだ線のちょうど真ん中、胸骨の上にある「膻中 (だんちゅう)」というツボは、東洋医学で「気の集まる場所」とされ、ストレスや不安が溜まると非常に硬くなり、押すと痛みを感じる場所です。
ここに人差し指と中指を当て、円を描くように優しくマッサージしてください。
また、不安を感じた時に手のひらでこの部分を優しくさするだけでも、高ぶった神経を鎮める効果があります。
パニック障害に悩んでいるあなたへ:身体が変われば、心は変わる

パニック障害を患うと、「自分の心が弱いからではないか」「ストレスに耐えられない自分が悪いのではないか」と、自分を責めてしまう方がとても多くいらっしゃいます 。
しかし、声を大にして言いたいのは、「あなたの心が弱いからではなく、あなたの身体(首や胸)が限界を迎えているだけ」だということです。
ガチガチに固まった首や胸のままで、「ポジティブに考えよう」「不安を気にしないようにしよう」と思っても、それは不可能です。なぜなら、身体から「危険信号」が出続けているからです。
まずは、頑張りすぎて固まってしまったその体を緩めてあげることから始めませんか?
物理的に首が緩み、胸が広がり、呼吸が深くなれば、脳は自然と安心感を抱くようになります。「あ、もう大丈夫かもしれない」と思える瞬間が必ず増えていきます。
薬を減らしていきたい方、根本からパニック障害を克服したい方は、ぜひ一度、身体の専門家である鍼灸師にご相談ください。

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